完成写真
概要・特徴・課題
概要
・野球を見ていると「カーブ」や「シュート」などの変化球の言葉を耳にする。では変化球を投げる際、ピッチャーはどんな風にボールを投げているのだろうか。実はピッチャーはボールを投げる際にボールに回転を与えている。その回転方向の違いにより様々な変化球が生まれる。
・ではなぜボールに回転を与えて投げると、ボールがカーブするのだろうか。その説明には「ベルヌーイの定理」、「マグヌス効果」を理解する必要がある。
・本ページでは変化球の原理を理解するための補助教材として、「ベルヌーイの定理」、「マグヌス効果」を実感できる「マグヌス効果・ベルヌーイの定理原理説明装置」を紹介する。
特徴
・発泡スチロール球、モータ、模型用タイヤなど、比較的入手しやすい材料で作成が可能。
・ボールの回転方向を変えることで台車の動く方向が変わり、簡単に効果を実感できる。
・発泡スチロール球に凹みを作ることで、凹みのないボールに比べより変化球の効果が大きくなる。
課題
・送風した際に台車が動く力は微弱なため、水平で抵抗の少ない台(プラスチック製の下敷きでも可)の上に置かないと台車がうまく動かない。
材料
発泡スチロール球(大、中)、モータ×2、モータ取付金具、ゴム管もしくはスプリングジョイント、模型用タイヤとシャフト、木材、プラスチック丸棒、プラスチックパイプ、電池、導線、みのむしクリップ、プロペラ(送風用)
作り方
上記の材料を使って、自分なりに工夫して作ってみましょう!簡単な作り方紹介と、作る上でのポイントをいくつか挙げておきます。
【A.曲がるボールの作製】
単純に、発泡スチロール球に凹みを作るだけです。工夫して作ってみましょう!
(作例)
@ 完成写真左下にあるように発泡スチロール球(中)の表面に凹みを作ります。カッターなどでくり抜くか、半田ごてで発泡スチロールを溶かして穴をあけます。半田ごてを使用する場合は火傷に注意し、必ず部屋を換気をしながらおこないましょう。
A ぐるっと一周凹みができたら完成です。早速ボール(凹み付き発泡スチロール球)を回転を与えて投げてみましょう。
実験
完成したボールを手に持ち、上から見て左回りの回転を与えて投げてみましょう。どうです?ボールは左に曲がりませんでしたか?逆に右回りの回転を与えて投げてみましょう。今度はボールが右に曲がるはずです。試してみましょう。そして、なぜそうなるのか、考えてみましょう。
【B.マグヌス効果・ベルヌーイの定理原理説明装置の作製】
単純に、発泡スチロール球が回転する装置を台車に乗せるだけです。工夫して作ってみましょう!
(作例)
@ 完成写真のように、木の板に模型用タイヤとシャフトを取り付け台車を作成します。また発泡スチロール球を回転させるために、台車にシャフトが上向きになるようモータを取り付けます。今回は完成写真のように台車に角材を固定し、角材の横にモータ取付金具によりモータを取り付けています。
A 直径15cm程度の大きさの発泡スチロール球(大)の中心にプラスチック丸棒を貫通します。この際、貫通させる位置ができるだけ発泡スチロール球の中心からずれないようにしましょう。このプラスチック丸棒とモータシャフトを接続します。接続方法はゴム管を使う、もしくはスプリングジョイントを使うなどして接続します。
B 完成写真のように、発泡スチロール球を台車に固定するためのアームを木材で作成します。発泡スチロール球の大きさに合わせて角棒を切り固定しましょう。
C 発泡スチロール球中心の上部にあたるアーム部分にプラスチックパイプを固定し、発泡スチロール球に貫通したプラスチック棒を通します。これで発泡スチロール球が回転する装置の完成です。
D モータに電池を接続してみましょう。発泡スチロール球がうまく回りましたか?
E 続いてこの装置に送風する装置を作製します。と言っても単純にモータにプロペラを付けたものでOKです。
実験@
発泡スチロール球が上から見て右回りに回転するように電池とモータを接続します。そして、右回りに回転する発泡スチロール球の装置に、風を送ってみましょう!
台車はどちらに動くと思いますか?予想してから、以下の動画を再生してみましょう。そして、なぜ台車がこのような動きをするのか考えてみましょう。
実験A
発泡スチロール球が上から見て左回りに回転するように電池とモータを接続します。そして、左回りする発泡スチロール球に風を送ってみましょう!
台車はどちらに動くと思いますか?予想してから、以下の動画を再生してみましょう。そして、なぜこのような動きをするのか考えてみましょう。